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私は負け犬です(笑)

知人が図書館でようやく借りられたという酒井順子著の「負け犬の遠吠え」をちらっと読ませてもらう。「30代、未婚、子なし」の女性は人生の負け犬と定義し、でもそれはそれなりに楽しく生きようと提唱する本である。この定義でいえば私も人生の負け犬。読後の感想はほとんどの人が「嫌な気分になるかと思ったら、おもしろかった」という。じっくり読んでみたい本の1冊だ。

ビジネスの世界でも「勝ち組になろう!」みたいなある種のキャッチフレーズが溢れている。自分や誰かの人生に「勝ち」だの「負け」だの、そんなレッテルを貼ること自体、なんだかなーと常々思う。ジョークとしても古いんじゃないかなぁ(笑)。

ついでに言いたいことを今日は書いておこう。
「専業主婦vs働く女性」の対立は不毛だ。批判されるべきは女性ではない。「フリーター問題」もそう。現在のライフスタイルにそくしていない制度・法律が問題。いろいろなライフスタイルを思い描く人が増えているのに、国のシステムがついてきていないのだ。この形を変えなきゃダメなんじゃないの?

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コメント

先日は、私のココログにトラックバックありがとうございました。トラックバックの状況を全然把握していなかったので、気がつくのが遅れてしまいました。

負け犬論、良くも悪くも今の日本の一断面を表していると思います。。。ライフスタイルの多様化、確かにそうですね。実は、もうひとかた、自ら「スーパー負け犬」と賞される方からいただいたコメントも、選択の多様化ということでした。

社会が急速に変わっているのだから、結婚観もそれに応じて様々に変化する、これは自然な流れだと思います。


そして、社会・経済の変化が結婚観のみならず、フリーターの急増に現れるように人々の職歴や人生設計全体に大きな影響を与えているのも事実でしょう。

でもその根源となった社会の混迷、経済活動の停滞、は放っておいて良いものではないと思います。

資本論をお読みになるほどの方ならご存じだと思いますが、マクロ経済学では「合成の誤謬」という概念があります。すなわち個々にみて最適な行動も社会・経済全体の視点で見ると実は最適行動になっていない、という現象です。

僕自身独身なのでこういうことを言うのも何なのですが、過度の少子化はやはりこの「合成の誤謬」現象に近いことではないかと思われてならないのです。もっともそうした判断の根底には、「人間は究極的に何のために生きているのか」という問題に対する規範的な考えが要求されるので、必ずしも広いコンセンサスが得られるとは限りませんが。

Primera

投稿: Primera | 2004/04/07 22:11

Primeraさん、コメントありがとうございます。
現象として現れたのはライフスタイルの多様化ですが、その背景は、社会の混迷です。これがなかったら人の価値観がこんなにも変わらなかったでしょう。

新しい結婚観、少子、フリーターに対するクローズアップは、今のところそれを選択した者からの視点や切り口で語られることが多いですね。私たち(マクロ)的にはその方が理解・認識しやすいのですが、全体としてはどうでしょうか。

全体の鳥瞰図的に語られることは、国会の場か、経済、経営の場がほとんど。個ではベターなことだけど社会全体で見ると必ずしもベターではない、最適に動かない、動かせないということが起こってしまう。月並みの答えだけど、全体計画と調整、個の理解と協力がどうしても必要になりますね。

投稿: 濱祐 | 2004/04/08 08:59

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