studygift 坂口綾優さんのケースで思ったこと
今のところ、一般社会的(?)には大きな話題となっておりませんけど、インターネットの片隅では、ちょっと賛否を呼んでいる出来事が。
「studygift(スタディギフト) ~学費支援プラットフォーム~」
学費をクラウドファンディングで集めることができるサイトです。
学費の支援を訴えるページを何度も見返しましたが、正直言って、「うーむ」と唸ってしまう内容というか、なんというか。。。
支援案件の坂口綾優さん個人とか、場やツール(プラットフォーム)自体の批判は、正直言って私、あまり持ち合わせていないのだけれど、これは「何か違っている」と感じたわけは、一体何なのだろうか?
「賛否を呼んでいる」と最初に書いたけど、否定の方は批判ならともかく、誹謗中傷が寄せられているといった状況のようなので、SNSのコメントなどを見ると、ちょっとコレは何だかなぁ……と引いてしまったりするのでありますが(苦笑)。
その批判や誹謗中傷の中には、私が感じた「何か違っている」の答えは当然なく、この違和感は何なのだろう?と、しばらく考えた。
つまるところ、studygiftの坂口綾優さんからの訴えは、「写真やSNSに出会ってからは、良い成績をキープできず、奨学金を打ち切られて学費が払えなくなりました」ということなのだ。これでは文章中に反省が見られないし、それが感じられない。ただしこれは、私自身の読解力とか、文章(構成)に対するセンス、好みの問題かもしれませんけれども。私の感じた違和感は、たぶん、ここなんだろうなぁ。。。
素朴な疑問として、studygiftの坂口綾優さんの訴えを表した文章は、本当に彼女自身の言葉なのだろうか? ライターや編集者などの存在によって、変わってしまってはいないのだろうか? (なんか、文章に「心」がない、といいますか…)
最後の日本の奨学金制度についての部分も、後付けの理由・材料である感が否めない。日本の奨学金制度が他国と比べて奨学金とは呼べないようなものが多いことは間違ってはいないけれど、坂口綾優さんの支援の訴えには関係ないことだ。
だが、学費をクラウドファンディングで集めるstudygiftの存在自体は評価したい。
それは大学生のみならず、児童養護施設の子どもたちの学費や進学費用などにも利用できる可能性は十分ありそうだし、国や行政(税金)の負担を減らして、市民による子どもの教育支援の必要性がもっと一般に認知され、これが広がる希望は持てそうなのだから。
基本的に、studygiftの事業活動を支援したい人、学費を支援したいという人が支援をすればいい。同意できないのなら無視してもいい。それは今回の坂口綾優さん自身に対しても。
Google+の中で投稿される坂口綾優さんのドラマチックな写真(上の写真)を今まで見てきて評価していた私としては、彼女の努力による「写真の才能」に対してならば、支援もいいかも? とは一瞬思いましたが、今回、studygiftに掲載されている内容では、私の心が動かず大変残念。でも、目標金額が集まったようなので、それはそれでホッとしてはいますけど(笑)。
今回の件があっても、特に変わらず、Google+の中ではフォローさせていただこうかな。ドラマチックな写真の発表を、これからも密かに期待させていただきます (^^ゞ。
※私の表面的な話以外に、就学希望の子が抱える背景や人生、それに値付けというパラドクスを感じるご意見は、とても参考になるなーと、以下に参照先リンクを貼らせていただきました。よかったら、あわせてご覧くださいませ。(自分参照用のリンクでもあるのだけれどw) 今回のケース、やはり彼女だから成立したのだなと、再認識させられますね。。。[2012/5/22追記]
■やまもといちろうBlog「家入一真さんの例の件で願うことなど」
※同じく、やまもといちろうさんのブログ。その後、意外な展開があった模様。うーむ、ちょっと面倒な事態っぽい。丸く収まるといいのでありますが…。[2012/5/23追記]
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コメント
ぐぐたす日本一の坂口さんは、
自業自得以外の何者でもない気がするのだが。
反省がないことの指摘は同感ですね。
卒業後の夢も語られず、それが分からないのに
お金を出すのはよっぽど酔狂な人だと思います。
studygiftってのは本来、
「学校を出てあれをやりたいからお金ください」って
サイトであるべきだと思うんですが。
家入氏はじめ、まわりの大人たちが、
あえて炎上マーケティングの燃料に
してしまうところが汚い。
それにしても、児童養護施設への援助をされている
やまもといちろうさんが現場の目線から見た
素晴らしい指摘の記事はいいですね。
投稿: tokyo247 | 2012/05/22 22:42
tokyo247さん、こんちは!
なかなか厳しいコメントですね。私はそこまで言えません(笑)。
自業自得であっても反省があればよいと思いますよ。
私が問題、疑問だなーと感じた部分は、
その反省部分が、ハッキリと見えないことなのです。
坂口さん自身の言葉を文章にしてそれを表して欲しかったなと。
(感じろ、察しろってことかもしれませんが)
ただ、この部分については、あのページを作った人、
編集した人、構成を考えた人の問題かもしれません。
私には、あの文章自体の怪しさを正直感じています。
ひょっとして、坂口さんの言葉(たとえば口述)を、
ほかの誰かが文字に起こして再構成したのかな?とか。
(あくまで推測です。そのくらい違和感を感じたのです)
今回のstudygiftの書き表し方だと、
坂口綾優という「商品」に対しての学費支援にしか見えません。
そのことは、やまもといちろうさんのブログを読んで、
あー、やっぱりそうだよなーと私は感じた次第です。
家入さんのことは、私、よく存じ上げないのでありますが、
なんとなく、悪い大人(?)ではないように思われます。
「自分たちが出来ること(力)を示したい」というタイプの人
なのだろうなーとは思いますけどね。←好意的な意味で
投稿: 濱祐 | 2012/05/23 12:35
まだご存知ないかもしれませんが、切込隊長から以下ブログが。
僕秩ヨシナガさん、自身が想いを寄せる女性への寄付を募る目的でStudygiftを立ち上げたということでFA
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2012/05/studygiftfa-c23.html#more
僕秩ヨシナガ氏が「愚かな僕が恋心でやったことなんです」と炎上案件の火消しをすれば、嘲笑こそされるだろうが、とても効果的な気がするなwww
ネットで煌めいた坂口さんは、皮肉にもネットによって消されてしまうのか。
世の中は有象無象の集まりなのに考慮せず、少なからず一定数のユーザーを敵にしてしまい、今後実名でネットするのに支障きたす責任を、誰が取るのだろうか?
投稿: noanoa | 2012/05/23 22:13
お金に困っているんだったら、
新聞奨学生などの制度もあるんだから
それを使えばいいし自分はそうした。
人に頼るよりまず自分が努力しなきゃいけないでしょ。
困っている人は別にあなただけじゃないよって言いたい。
本当に勉強したいことがあるなら
寝る時間や遊ぶ時間を惜しんで
労働しながらでも勉強はできますよね。
投稿: 佐竹小鉄 | 2012/05/23 22:17
noanoaさん、佐竹小鉄さん、こんちは!
studygiftのサイト公開から密かに(?)様子を
チェックしてきた私としては、ネットの中で
騒動が大きくなって広まっていることに、
正直、ちと困惑気味でございます(苦笑)。
大学側の困惑と迷惑は、大変なことだったろうと
私も想像いたします。SNSでの情報拡散のみならず、
大学側に凸電しろ!的な流れが見えたときは、
非常に厄介な問題と課題を感じましたしねぇ。。。
こうなってしまった責任は、studygiftのサイト作りに
関わった人たち、運営者、坂口さん自身にもありますが、
お祭り気分で炎上に加わった一部の人たちや、
私のように注視する者、傍観者にもあるのかな、と
それぞれの影響力の大小はあるものの、
やはりどうしても思ってしまいますね。
特待生でもない限り、奨学金をもらうイメージは、
世の中ではなんとなく、まだ「苦学生」なのかもしれません。
そのイメージとかけ離れた印象を抱かせてしまった
今回のstudygiftの表現方法は、坂口さんの責任というより、
彼女を持ち上げた大人の責任が大きいような気がしています。。。
投稿: 濱祐 | 2012/05/24 13:45
はじめまして。この問題は先日初めて知ったのですが、ちょっと考えるところを述べさせていただきます。
要は日本人一般が支援したいと思うようなタイプの学生(親が病気で働けない、または死去しているが、本人には強い学習意欲があるタイプなど)と、今やり玉に挙がっている坂口さんという元早大生の挑戦にギャップがあり過ぎるのが炎上の原因なのでしょう。
結局、寄付を集めるなら投資対象となる人物像をを明確にしないとダメとは思いますが。
すると必ず個人のプライバシーの問題にぶつかるとは思いますが、無償の寄付を受けるんであればプライバシーが儀性になるのは已むを得ないとは思います。
人は相手の赤裸々な人生を知ってこそ本気で支援したくなるものだと自分は思いますがね。
投稿: 志岐滋行 | 2012/05/24 16:16
志岐滋行さん、こんちは!
コメントありがとうございます。
奨学金をもらう=苦学生=経済的に貧しい、という先入観が
いまだに多いのかな?と私は思っております。
そのイメージに合わなかった坂口さん自身だけでなく、
あのページ表現が、やはり炎上の原因なのでしょうね。
学生が奨学金をもらっていながら遊び呆けているだけなら
許せても、そこに、遊び呆けた結果、学業不振が加わって、
さらに「奨学金をもらってもいいよね?」と、まわりに承認を
求めようとする行為を実行ことの間には、大きな隔たりと
いいますか、差異があるとも思っておりますね、私。
今回私が感じた違和感は、表現方法が一番だったのだけれど、
その根底には、多くの人が持つであろう「奨学金をもらう
学生のイメージ」と違うことも、無意識に感じていたのかなぁ。
そのくせ、奨学金をもらう学生が、今と昔では違うことも、
まわりを見て知っているのだけれど。なんだかなぁ。。。
投稿: 濱祐 | 2012/05/24 17:59
僕は彼女と同じ大学で同様に奨学金が無いととても生活できない状況です。
「炎上」した理由がまったく理解できません。
彼女は典型的なソーシャルアクティブな普通の学生であり、ごくごく一般的な生活をしていると思えます。
確かに“studygift”である以上、集まったお金は学費に充当するのが一義的ではありますが、だからと言って彼女の行動に何ら制約を与えるべきではありません。
ましてや寄付をしていないのに、資金集めに奔走する彼女を批判する意味がわかりません。彼女だって十分にお金があれば、出身や顔を公開してまでこんなことをしないでしょう?
この行為が「乞食」だといわれるのであれば、やっぱり残念なことに、まだまだこのサービスを受け入れるだけ日本社会が成熟していないってことだと思います。
正直このサービスを利用して僕も学費(や生活費、食費)を集めさせていただき、それを社会に還元できれば…と淡い期待をしていましたが、このような炎上の結果に、とてもそれができないと感じました。
投稿: 楓凡人 | 2012/05/24 22:21
はじめまして。私も記事主さんと同じで、
今回の件は支援したいという気持ちには至りませんでした。
理由はページに載っていた以下部分です。(下記コピペです)
>「写真やSNSに出会う前、1~2年生の時は
> たくさんのお金を給付される、条件の良い
> 奨学金をもらうことができたため・・・(略)」
これだけ読むと
「1~2年生の時は写真もSNSもやっていなかったから
勉強とバイトの両立ができていたのかな?」と。
記事主さんも、この部分に同意できなかったのですよね?
坂口綾優さんはG+でそこそこ有名になった方ですし、
TVで拝見したこともあります。
事あるごとに写真を撮っていた印象でした。
SNSを活用していて頑張ってるな~とも思いました。
もちろんその時は学費に困っているとは知りませんでした。
しかし今回の支援ページを読んでの正直な気持ちは
「そりゃあんだけ写真撮ってUPしてたら、勉強する時間は
ないよね」でした。自業自得ですよね。
彼女が「何を勉強したいのか」
「勉強の成果をどう還元していくつもりなのか」がわかれば
ここまで炎上はしなかったでしょうし、私も支援していたかも
しれません。と言うことは、そういうページ作りをしなかった
サイト運営の責任もあるのでは?と思いました。
(この部分も同じように感じていたのでしょうか?)
趣旨とシステムは素晴らしいと思っていたので残念です。
投稿: Akiko oni | 2012/05/24 22:29
楓凡人さん、Akiko oniさん、こんちは!
みなさん長文でコメントするほど、
今回の件は考えさせられた出来事だったのだなぁ。。。
(記事を書いた私が言うのもなんですが~)
「ネットで公開乞食!」などとスレ立てるなんて…と、
彼女が気の毒でなりません。ネットでは“表層で遊ぶ”
人が多いのかもしれませんね。それが一部なのか、
それとも大部分なのかは、わかりかねますが。
たしかに、お金があれば、今の状態にはなっていない
とは思いますが、それで学業不振にならなかったかと
いわれれば、それは違うような気がします。
(そこまで言われておりませんが、その延長線上で考えると
つまずいてしまうというか、なんというか)
楓凡人さんのコメントを読んで考えたのですが、
たいていの人は、ギリギリの生活で日々を過ごすよりも、
余裕を持って生活したい。その上で自分がやりたいことに
チャレンジしたいものですよね。たぶん、その部分もある
のかなー。(その部分の欲求も強かったというか)
そう考えると、かなり話が飛躍しますけど、
学校教育というものは、家庭の経済が左右することは、
本来、好ましくない(そぐわない)ことかもしれないですね。
(欧州のある国とか、社会主義国家の無料教育が頭に浮かぶ)
で、また話が飛躍すると、現実では、やまもといちろうさんの
ブログに書いてあったようなノウハウが必要だよなぁ。。。
うーん、みなさんのコメントに、
さらにいろいろと考えさせられますねぇ。。。←まじめに思考中
あ、Akiko oniさんの感じたポイントは、ほぼ私と同じです(笑)。
私よりわかりやすく書いてありますね(^^ゞ。
(この部分の批判をほかに見かけなかったので、ちょっとうれしい)
投稿: 濱祐 | 2012/05/25 01:19
私の中でstudygift ~学費支援プラットフォーム~に対する個人的な感想としては、今までになかった学費を支援するようなサポートサイトが出来たということで、とても素晴らしいことだなと思いました。しかし、その活動が中止に追い込まれ、今も個人を叩くネット世論には残念な気持ちがいっぱいです。
「お金がない」というのは、やっぱり世の中生活する上で大変です。
私は心理学系の大学に進みたかったのですが、学費が無くて進学を諦めた経験もあります。現在は通信大学生として勉強をしていますが、大学に進みたかった当時の好奇心旺盛だった頃のような情熱はなくなりましたね。
鉄は熱いうちに打て。興味があるものはその時こそ没頭できる最良の時。そういった重要なタイミングで機会があるかどうかは本当に重要で大事だと思います。
そんな想いを現在持っている大学生や高校生?が、学費をサポートしてくれるかもしれないという希望を見出せる場所として、「studygift」のような学費支援プラットフォームの誕生は、学費の障害を取っ払ってくれるような、とても素敵な仕組みだと思っていました。
「studygift」に対する私の見た範囲の様々な批判について見てみると、今回支援を求めた坂口綾優さんが、そもそも苦学生じゃないとか、大学に通うことの意味や理由が、就職活動が出来ないから、みたいな考えが『?』、どうせ寄付するなら既存の奨学金に寄付した方がいいとか、いろいろありましたが、この「studygift」って、私の中では、苦学生じゃなきゃいけないってルールは、どこにも存在していないような気がするのですが、それは誤りでしょうか。
そして『寄付』ではなくて『支援』ですので、今回に関しては坂口綾優さんの想いやその他を考慮して、支援できる方や支援したいという方が、支援をするという流れだと認識していました。
批判内容を見る限り、様々な認識の錯綜、すれ違いがあるように感じました。
あと、「studygift」の試みや、それに対する批判などを含めての感想としては、結構支援をなさる方もいらっしゃるのだなという感想と、僕個人だったら、あの支援のプレゼンは出来ないなと思っちゃいました(笑)
ただ私に出来そうにないからと言って、個人的には批判の対象には当然なりません。何か強い想いがあれば、学費支援を受けられる場所が出来た事がすごいと思います。「studygift」の他にも、もっと多様な学費支援の場が広がればいいですね。
かつてジョンロックが貨幣導入について考えたような、貨幣に関して重要な要請でもある『人類保存の順守』にもあるように、お金があるところから、お金が必要なところへ分配されるような、そんなサービスや仕組みがどんどん誕生してくれたらいいなと思います。
※長文ですみません。お読みいただきありがとうございました。
投稿: junk | 2012/05/29 17:12
junkさん、こんちは!
長文のコメント読ませていただきました。
この様な活動の一時中止は残念ですが、問題点を改善し、
さらによくなるための過程として、前向きに捉えたいです。
支援金の目標額調達の成功後、批判と誹謗中傷の内容は、
それ以前のものとずいぶん質が変わりましたね。
個人叩きは今も続いていますが、時間の経過とともに
新事実が出てくるたび、落ち度がある者への攻撃が多く
なっていますから、なんだかなぁ……という感じです(^_^;。
奨学金をもらう学生が、貧しい苦学生というイメージと
頭の中で紐付けられている人が多く、それに囚われて
いるのでしょうね。junkさんの指摘は正しいと思いますよ。
善意による批判ならいいのですけれど、ほとんどは
そうではないように見えるので、studygiftの問題よか、
別の問題の方が、私にとっては心配に感じています。。。
投稿: 濱祐 | 2012/05/30 08:21