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「さよなら原発集会」に思う…

こういった話題を自分のブログでアップすることは正直、気が進まなくて嫌なんだけど、政府や官僚の人たちより、今のこの集団が、何か極端でおかしい方向に行こうとしてないか?と危惧しておりますゆえ、ちょっとこの話題について触れようかと思います。

さて表題のこの集会をYoutubeとユーストでざっと見たのだけれど、この中で、唯一まともなメッセージを発しているのは作家の広瀬隆氏くらいじゃなかろうか?

今の大飯原発再稼働は、関西電力の経営破たんを避けるためである。よって、それは「取り引き」出来ること。原発を止めるかわりに、電気料金の値上げを認めることである──そんな内容だったかと思う。

関西電力の原発再稼働は、特に夏場の(数日あるかないかの)電力消費ピーク対策で、その時に、いかに停電を起こさずに電気を供給し続けるか?(これが元来いわれている電力不足の問題)という点と、広瀬隆氏のメッセージにある通り、火力発電の稼働が増えると、発電に必要な燃料費がかさんで経営を圧迫し、これから先の発電所のリプレイスや保守メンテナンス、しいては電気料金の値上げを含めた、今後の電力安定供給に影響を与えること、すなわち、原発再稼働はこの影響を出来るだけ小さくする点にある。

※いわゆる関西電力の「経営のための再稼働」というのは後者の点。これは同時に関西電力がいう「安定して継続的にエネルギーを供給し続けるのには、需給の問題じゃなくて、お客さまに安定した料金で、低廉な料金で継続していく、いうことも必要と考えていますので、それを含めて、総合的に経営としては考えていきたい」という大阪府市エネルギー戦略会議での関西電力が考える「電気の安定供給」の発言にもつながる。同会議の議事録を読む限り、「経営のための再稼働」という文言を、都合よく単純に「関電が儲けたいから再稼働」と認識してしまう、させてしまうマスメディアの報道は非常に危険で問題なんじゃないかと私は考えています。

もちろん、これ以外にも原発の稼働を停止させるということは、関西電力管内の電力予備率(余力)の確保が難しくなること、原発立地自治体の収入や、そこで暮らす地域人々の雇用機会を奪う、生活を脅かすことに繋がるし、はたまた、自分の生命を電気機器によって維持している人にとっては、停電のリスク上昇は、そのまま命を脅かすリスクの上昇にも繋がってしまう。

広瀬隆氏は、関西電力の経営破たんを避けるための再稼働という点に絞って、だから「原発停止のかわりに、電気料金の値上げを認めましょう」とメッセージを発する。それだけでは決して済まないところに、この問題の難しさがあるのだが。

ところで、この集会の中で、広瀬隆氏が「原発停止のかわりに、電気料金の値上げを認めることである」と発言した時に、会場内は一瞬静まり返ったようにも映像と音声から見て取れた。

たぶん、これも、毎週金曜日に開催されている官邸前の大飯原発再稼働に抗議するデモや、このさよなら原発集会に参加している人たちに欠けている「共通の認識」であり、目を背けていること、あるいは気付いていないこと、問題の本質を歪めていることの1つなんじゃないのかなぁ。。。

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