飯舘村役場のモニタリングポスト
昨日は仕事帰りに飯舘村役場に立ち寄りました。
先月のニュース等でご存知の方も多いと思いますけど、現在の飯舘村は国の管理下にあって、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域の3つの避難指示区域に再編されたところ。ここでは居住(寝泊まり)は許されておりません。
ほとんどの村民は避難しており、村に人が集まるのは村役場と、その向かい側にある地域活性化センターのまわりのみ。この付近の空間放射線量は0.75μSv/hくらい。ここから南相馬市へ抜ける峠道を走ると1.4μSv/hくらいまでに上昇しますが、今年の春からの数値は非常に安定しています。(←今まで何度か線量計測しながら走った感じですが)
※飯舘村の場合、除染作業が終わったところは1μSv/hを切るくらいまで線量が低下していますが、まだ作業が行われていないところは、当然その数値より高い値を示しています。詳しい各地の空間放射線量は文部科学省の放射線モニタリング情報を参照してください。
「飯舘村(役場)は、モニタリングポストの値を下げるために、その周辺を徹底的に除染した」というような誤った憶測の情報と記事が、今年の春頃にインターネット上で流れたらしいのですが、真相は「モニタリングポストが設置されている飯舘村役場全体を除染したら、(当然ながら)結果的に値は下がった」だけなんですよねぇ。。。
また、飯舘村役場のモニタリングポストの件ではこのほかにも、「測定器の下には分厚い鉄板」と書かれていた記事もあったようで、実物を見たことがない人には、おそらく、「モニタリングポストの下には分厚い鉄板が敷かれている」とイメージして、その絵を思い浮かべながら読んでしまい、信じてしまった人もいるのではないでしょうか?
これが飯館村役場にあるモニタリングポストの実物写真。
測定器と一体型になっているベース(土台/金属板)部分を、どうやら記事を書いた人は「測定器の下には分厚い鉄板」と、これを表現したようです……。
まぁ、どういう認識を持つのかは、人それぞれなのでしょうけど……。
※ちなみに、このモニタリングポストは固定型ではなく可搬型。おそらく急きょ、試作したタイプではなかろうか?しかもこの形状、茨城県の東海村にあった壁面に取り付けるタイプに脚(土台)を付けただけのように私には見えるのだけど?(見たことがない人にはわからないことでしょうが)
……不安や不信感、または危機と危険、絶望感を煽る人の心理って、なんなのだろうなぁと、ときどき考え込み、落ち込んでしまっている私がいます。飯舘村に限らず、今まで暮らしてきた地域に住み続けたい人、戻りたい人もいるのだけどなぁ。。。
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コメント
ブログに書かれている「測定器の下には分厚い鉄板」の記事は
http://www.ecology-archiscape.org/iitate/kouhoushien/20120410.html
この記事のことではないでしょうか。
鉄板が敷かれたモニタリングポストの写真を見たかったのですが、今までインターネット上では全体が写っているものが見つけられず、4ヶ月以上経った今になって初めてこちらのブログで見ることができました。
これでは、文科省も環境省だけでなく、ジャーナリストもマスコミも信用に値しないですね。
投稿: kolisa | 2012/08/29 19:52
kolisaさん、こんちは!
「分厚い鉄板」なんて、どこにも敷いておりません(笑)。
モニタリングポスト土台の左右に茶色の鉄骨が見ますが、
強いて「分厚い鉄板」というのなら、この部分だけじゃないかと。
これはたぶん、ベースとなる土台の重要な骨組みと、
転倒防止のための“オモリ”も兼ねての採用だと思いますよ~。
(銀色の金属自体は厚みがさほどないですし)
記事に書かれているようなガンマ線もさほど遮られていなかった
ように記憶しております。(私の線量計と誤差もさほどなく)
※ただ、線量計はそれぞれ癖(?)があるので、中には大きく数値が
異なるものや、実はガンマ線以外の放射線も拾っているものがある
ようなので注意が必要です。(無論、使い方を間違ってる場合もある)
まぁ、この記事を書いた環境ジャーナリストの方は、
おそらく生物資源学とかそのへんの畑の人じゃないかと思うので、
線量計を見て構造とかよくわからない人じゃないかと(^_^;)。
それにしても、記事をあらためて今読んでみても、
除染はモニタリングポストの数値を低くするためと受け取れてしまう
ので、もう少し丁寧な説明が必要なのでは?と私は思います。
うがった見方をすれば、この記事を書いた人、
わざと誤解させるような文章を作ったんじゃないかなーと、
思えなくもないほどの「上手な文章」ではありますね(苦笑)。
投稿: 濱祐 | 2012/08/29 21:55