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官邸前反原発デモについて(新聞記事内容の転載)

ここ数日、福島民友新聞の『原発災害「復興の影」今を追う』シリーズの記事は、全国版にはない地元新聞ならではの立場と視点で、むしろ好ましい「問題提起」をしています。(一方で、対立を煽るのでは?という方もいますけど)

以下に転載する内容は、そのうち福島民友のサイトにも掲載されるでしょうけれど、いつWebに掲載されるのかはわからない(ちと遅い)ので、ここに記録して紹介させていただきます。

※7/22に福島民友新聞のサイトを確認したら掲載されていましたので、あわせてこちらもご覧ください。[2014/7/22追記]

■反原発デモに違和感や反感 「福島差別」を助長した側面
http://www.minyu-net.com/osusume/daisinsai/serial/fukkou-kage/140702/news.html

福島民友新聞 2014年7月2日
原発災害「復興の影」今を追う④

■反原発デモに違和感「福島差別」助長した側面

「原発いらない。子どもの為に、未来のために」毎週金曜日に、東京・首相官邸前を中心に行われている反原発デモ。参加者らは太鼓や鈴のリズムに乗せて叫ぶ。「ドラムをたたこう、みんなの声で原発なくそう」。主催者側はこれを「怒りの表現」とするが、この行動に違和感や反感を抱く人たちがいることも確かだ。

大飯原発(福井県)の再稼働が焦点となった2012(平成24)年夏に20万人(主催者側発表)まで膨れ上がった参加者も、現在は2千~3千人(同)。デモでは参加者がマイクを握って官邸に向かって思いを述べる。当初は「そんなところ(郡山)に子どもを住ませるな」など、本県が悲惨な状況だと強調する発言が目立った。参加者の減少もあり、今ではそうした発言は減ったが、それでも風評払拭の動きを指し「食べて応援なんて絶対だめ」などという言葉が聞こえてくる。


■当事者の意識が希薄

主催者団体主要メンバーのミサオ・レッドウルフはこうした福島についての発言について、「原発事故に県境はないが、自分も事故の当事者という意識が希薄な人がいる」と認める。しかし主催者側は参加者の発言に寛容だ。背景には運動の継続がある。一口に反原発と言っても、健康への影響や原発への考えはさまざまで、それを表面化させれば運動は行き詰るとみられる。「デモをやめれば、反原発の思いが消えたと解釈される。続けるのが重要」とレッドウルフは言う。

県内ではデモを中心とした反原発運動を冷ややかに見る向きが多い。田村市の農業坪井和博(66)は脱原発の立場だが、「首都圏のデモには違和感を感じている」と明かす。「声を上げるのは大事だが、どうしたら原発をなくせるか、政治や世論をどう動かすか考えるべき。自己満足に終わってるんじゃないか」。


■人ごとの態度に反感

福島大特任研究員の開沼博(30)は、反原発デモが「福島のためと言いながら、一方で『あんなところ住めない』とか『障害児が生まれまくっている』とか平然と言う人が、(運動の)内部にいることが、嫌悪感すら呼び起こしている面がある」と解説し、運動に漂う、人ごととして福島事故を見る態度が反感の背景にあると見る。「反原発の活動、言動が福島差別を助長してきた面はある。社会運動として非常にまずいことをした」

実は、この記事をキッカケに、少しばかりSNS上で「やっとこういう記事が出てきたか」と歓迎する人たちと、「これは事実誤認。官邸前反原発デモが差別を助長する事実はない」と批判する人たちの間で(対話・会話にならなかったことも一部なきにしもあらずではありますが~)意見交換することが出来まして、お互いの認識をアップデートできたところはあったんじゃなかろうか?と、首を突っ込んでしまった一人としては思いました。私自身は得られたものは多かったですね。(この記事を批判する人たちは、ちょっとどうでしょうかねぇ……と、ちと不安だけど)

これについては、このエントリで書いてしまうと、たぶん(また)長くなると思うので、別記事で(頭の中を整理しながら書いて)後日アップしたいかなー。

ちなみに、先に私の立場を言っておきますと、反原発デモ自体は別にいいけれど、差別を助長するようなデモ行動・表現は容認できない立場ですね。この記事については容認するし、たぶん擁護はするかな。疑問を抱きつつだけど(笑)。

この新聞記事中に登場する官邸前反原発デモの主催者団体メンバーの方は、「自分が言った趣旨がくまれていない。フェアな書き方ではない。記者に抗議する」とのことで、この行方も私には気になるところです。


※反原連がこの福島民友新聞の記事への抗議文を掲載していますが、……なんだろう、これはかえって印象が悪くなるような気がして心配です。。。[2014/7/11追記]

■7月2日の福島民友新聞に掲載された記事に関する報告(抗議文)
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=4870

この抗議文に目を通した私の感想ですが、批判を批判として受け止めず、貶めと捉えて抗議しているところが一番アカン気がします。 批判として受け止めて、その上で抗議、(誤解があるという前提で)説明すればよかったのになぁ…と思いました。これでは原発に反対する人でも、ますます運動とは距離を置きたくなると思う。。。

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