朝日新聞の吉田調書【記事取り下げ】について
朝日新聞による吉田調書「命令違反し撤退」報道の記事取り消し謝罪については、私はさほど驚くこともなく、まぁ、なんというか、「……やっと認めた(謝罪した)か。。。」という程度のもので、あまり衝撃を受けることはありませんでした。というのは、東京電力福島第一原子力発電所事故の各調査報告書を読んでいて、この報道を鵜呑みにしなかったからなんですよね。
2014年5月20日の朝日新聞で「原発所員、命令違反し9割撤退」などと一面で大スクープとして報じた上に、特設WEBサイト(写真上)を公開する力の入れようでしたが、まぁ、読んでみて、「あれ?なぜこう受け取って、こうなったの!?」と、不思議と疑問を通り越し、特に特設WEBサイトの方を読んでみると、「この書き方は、“プロメテウスの罠”と一緒だなぁ……」と。 なんつーか、「またか…」という感じでしたねぇ。。。
ちなみに「プロメテウスの罠」とは、朝日新聞(朝刊)に連載されているルポタージュ記事のことです。書籍にもなっており、2012年に新聞協会賞を受賞しています。
2011年3月11日に起こった東日本大震災後の私は、主に津波被災地の復旧と復興の現場に出ています。そこで得られた生の情報と、被災地から遠く離れた新聞社やテレビ局の報道が取り上げるもの・興味と関心を寄せる対象になるものには乖離性があることを強く実感しています。
被災地の復興や、東京電力の福島第一原発事故と放射能に関するニュースの取り上げ方は、困難に直面している地では事実に基づいたドライで公的なニュースが主ですが、東京など遠く離れた地では少し変わります。割合としては大きくないと思いますが、扇動的で過度の警鐘を鳴らす内容といった感じでしょうか。
これを「日本」と「海外」のメディアに置き換えたら、ちょっと想像しやすい方もいるのではないでしょうかね(笑)。
今回の朝日新聞の件に関しては、これを朝日新聞の問題としてだけで捉えるのではなく、他の新聞社や雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなど各メディア共通のものと捉えてほしいと私は思います。国や政府、東京電力などを貶めることで被災者は喜びません。それを見て喜ぶのは「観客」だけですからね。
※朝日新聞の「吉田調書」報道の誤りが何かを知りたい方は、こちらのブログを参照してください。(長文ですが、とても丁寧にわかりやすく書かれています)
■公開された「吉田調書」には何が書いてあったのか?
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-805.html
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