« 2014年9月 | トップページ | 2014年11月 »

2014年10月に作成された記事

ハローキティの“ニーチェ”と、キキ&ララの「幸福論」

最近は心理学とか哲学書の超訳的な本が流行りなのでしょうか?
この2冊は読み手に負担を与えないポジティブなワードを抜き出した本です。落ち込んだりして元気になりたいときに読むには最高の本じゃないでしょうか(笑)。
サンリオキャラクターを用いた絵本であることもポイントが高いですね。非常に親しみやすいです。

ハローキティの“ニーチェ”と、キキ&ララの「幸福論」

ハローキティはドイツの古典文献学者でもある哲学者ニーチェの「ツァラトゥストラはこう言った」の超訳本、キキ&ララの方はフランスの思想家・哲学者アランの「幸福論」の超訳本です。教訓集と言ってもいいかも(笑)。

原書や直訳等の翻訳本に触れた機会がある人でしたら、ちょっとこの訳(解釈)はどーなのよ?という部分などあったりしますけど、まぁ、わかりやすさ・読みやすさを優先し、とにかく「(著者は)何を言わんとしているのか」を伝え、これを読む人の生きる糧とか肥やしにしてもらいましょう的な目的は達成できている良い本じゃないかなーと思いました。

この本は、人生を前向きに生きるための言葉に溢れているので、贈り物にも最適です。ハローキティやキキ&ララがやさしく語りかけるような文章であるところもいいですね。

まぁ、これらの本を読んで興味を持ち、原書に当たることもいいでしょう。とはいえ、もとの本は結構ヘビーな内容(?)ですし、特にニーチェの場合は、「この本はナチス支持、肯定の内容だ!」と評価・批判された時代もありました。これらが書物として発表された時代背景や歴史を含め、深く考えることが好きな人はともかく、ただ日々を明るく前向きに生きたい人は、ハローキティとキキ&ララの超訳本で留めておくことを私は強くおすすめいたします(笑)。



| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

唐津城はモン・サン・ミシェル?

先月の話になりますが、九州の唐津までちょっと足を運びました。
福岡空港から地下鉄に乗って終点の姪浜、そこからJR筑肥線に乗り換えて、空港からのトータル約1時間半で唐津に到着です。列車の接続も悪くなく、福岡空港から乗り換えなしで唐津に行ける直通運転の列車もあります。ちなみに唐津は佐賀県です。

唐津城

この写真は、地元のライオンズクラブ(唐津の社会奉仕団体)おすすめの撮影場所から。なかなかいい感じに納まりますね。この場所は「唐津城撮影絶景ポイント」と書かれた看板がありまして、写真がヘタな私でも、それなりの絵が撮れるので、これは非常に助かりますw

で、この唐津城が見る角度+時間帯によっては、ちょっと雰囲気というか印象が変わるので、私は眺めていてちょっとおもしろかったですね~。小高い山の上にお城がちょこんと佇んでいますから、下の写真のようになるわけです。

唐津城

……ちょっとモン・サン・ミシェルっぽくないか?
上の写真と同じ唐津城なんだけど、見る角度でこうも違うのかと(笑)
※あくまで個人の感想です。

で、せっかく唐津まで来たのではありますが、今回は時間と体力(?)の都合上、登城は見送らせていただきました~(ああ、仕事がなかったらなぁ……)

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

早野龍五・糸井重里「知ろうとすること。」

実はこの本を読むまでは、乳幼児専用の“ベビースキャン”について、これは「科学的に考えたら不要な機器では?」と、ちょっと疑問というか、懐疑的に捉えておりました。私がそう考えた理由・理屈は、この本の中にも書いてある通りで、(これは合理的ではないものなのに)それでもなぜ?と引っかかっていたのです。

科学的に考えれば検出されない。それはわかっている。でも、検出されませんでした、という結果が欲しい――相手を納得させる、安心させるためのプロセスには、コストの出し惜しみはイカンというか、なじまないよなーと再認識させられた一冊でした。
冒頭の「言っておきたいこと」に出てくる例え話にもつながりますね(笑)。

知ろうとすること。

本書は対談形式で非常に読みやすく、1時間くらいで読み終えてしまう内容のものです。読み進めていますと、私自身の当時のことをいろいろ思い出し、ああ、その頃はそうだったねぇ……(しみじみ)などと、不思議と懐かしい気分にもさせられました。というのは、私自身、セシウムが検出された過去もあるから(笑)。ちなみに、この本にも書かれている通り、3ヵ月後の検査で未検出、その後もずっと未検出が続いております。

6章「高校生をCERNへ」の話は、福島県のニュース番組で知り、「そんなこともあったみたい」くらいの情報しか持っていませんでした。
今まで「ああ、そんなこともあったよね~」と懐かしみながらこの本を最初から読み進め、最後にこの希望ある話のところ、「彼ら、遣唐使みたいですね」で堪え切れず泣いてしまいました。きっとこの感覚は、福島県から遠い人には理解されないものかもしれませんけれど(笑)。

この本は、「~べき」というような論調ではなく、普通の口調で語っているところがよいですね。それから、本書の6章最後に早野氏が「科学的なリテラシーというのは、教わって得られるものじゃなくて、自分で鍛えて身につけて行くもの」と語っているところは、私もその通りだなーと思いました。

ただ、この本の内容で1つ懸念するところは、最初に述べた“ベビースキャン”について、プロセス上は必要な機器(コスト)ではあるのだけれど、これ以上は増えないことを祈るばかり。安心するためのプロセス上は必要な機器ではあるけれど、(これが福島県では無料の検査だとしても)その維持コストは誰が負担させられているのだろうか? そこは今後、見極めてほしいポイントだと思いました。
(この本を読んで、“ベビースキャン”への理解は進んだけれど、これについては、まだいろいろと複雑な思いが残っています…)


知ろうとすること。 (新潮文庫)
早野 龍五 糸井 重里
新潮社 (2014-09-27)

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

小川仁志「自由の国 平等の国」

この小説に出てくる「自由の国」と「平等の国」の対比は、かつて視聴したOVAの「銀河英雄伝説」を思い出します。比較対照するテーマは違いますけれど、それをお子様版にした感じで、とてもわかりやすく著者の思考を小説にまとめた本ですね。

自由の国 平等の国

ここでは「著者の思考」と書きましたけど、これはなにも、著者にしか出来ないような思考というわけではありません。こういうことは結構みなさん、普通に考えたことがあるんじゃないでしょうか?

物語のあらすじは、こちらの特設サイトをご覧いただくとして、大筋の話としては誰でも思い付くような構造の物語で普遍的。ゆえにシンプルなのではありますが、これに余計なものを肉付けせず、本当に素のそのままで、よくぞここまで書き抜いた作品だなーと感心しています。学校教育の教科書とか読書感想文には打ってつけの小説です。

物語は「自由の国」の主人公の少女から動き出しますが、これはもう1人の主人公である「平等の国」に属している少女からは起こらない心の動き・アクションだよね。極端な「自由」と「平等」を掲げる両国の対比を、今まで具体的に考えたことがない人にとっては、この本は、いろいろな発見があって楽しいんじゃないかと思います。「自由の国」と「平等の国」それぞれの発想だと、突き詰めるとそうだよね~という感じで(笑)。

「自由の国 平等の国」という本は、物事を深く考えられる子ども・お子さんに育てたいと願う大人の方にはおすすめの一冊です。というのは、最近の世界情勢に通じるテーマでもあるからなんですよね。中東イラク・シリアのイスラム教スンニ派の過激派組織(いわゆるイスラム国)の登場や、香港で発生した学生による民主派デモ(傘革命)なども、この本に描かれている「理想の国」のあり方を追求する動きと同じといえるでしょう。

ただ、この小説の中で私がひとつ気がかりなことは、その「理想の国」の追求の物語に「カクメイ(革命)」という単語が出てくることです。今の日本で起こっている様々な(マスコミが煽る)二項対立のことを想像すると、この本に描かれる「カクメイ」になりそうもない絶望を感じます。例えば、今のままの「反原発」や「9条を守れ」的なノリの運動には、この本の「カクメイ」は望めないなーと思うわけです。

「自由の国 平等の国」の著者は「革命を実現しようじゃないか」とメッセージを出していますけど、これはあくまで「創造が目的の革命ならばよい」という話。破壊したいだけの革命は、御免被りたいと私も思います。

というわけで大人の方には、本編の小説をお読みになったあとの、著者による「解説」部分の方が面白いと感じるかも?とも思った本でしたね。


自由の国 平等の国
自由の国 平等の国
posted with amazlet at 14.10.07
小川仁志
ロゼッタストーン

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

« 2014年9月 | トップページ | 2014年11月 »