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サイボーグ009完結編conclusion GOD'S WAR

この本を買って読んでみようと思ったキッカケは、後述する石ノ森萬画館の特別企画展「サイボーグ009ワールド展―50年の軌跡―」で展示されていた、このマンガのラストシーンの生原稿が数ページ展示されていたから。これはあとでじっくり時間をかけて読んでみようと思ったのです。

サイボーグ009完結編conclusion GOD'S WAR

サイボーグ009完結編conclusion GOD'S WAR は、009たちサイボーグ戦士を作り出した世界規模の軍産複合体「ブラックゴースト」(正確にはブラックゴーストの理念を実行するための組織)を壊滅させた後の話です。

前作のマンガやアニメーションをご存知の方には説明は不要ですが、ブラックゴーストの本質は人々の欲望であり、闇の側面そのものですから、これは決して消えることがなく、何度でも集合して再編されてよみがえるものです。
本作完結編のconclusion GOD'S WAR では、この「闇の側面」をまず「神」として表し、これにサイボーグ戦士たちが立ち向かいます。つまり、人々の中にある「悪意」や「闇」と対決するわけです。

天変地異を起こす「神」の軍勢に大敗し、スキルアップしてどうにか軍勢を後退させたが、その後、神々からの攻撃は精神面からも行われ、かろうじてそれを跳ね返し、さらなるスキルアップ「Cyborg(改造人間)」から「PSI-borg(超能力を持った改造人間)」へと進化して「神」との最終決戦に突入する――。

009 RE:CYBORG を見たときにも思ったけど、サイボーグ009シリーズ作品のモチーフには「正義」と「悪」のほかに、本当に「神」という存在を、嫌応でも考えさせられるなーと。

「神」を考えるといっても「神学」ではなく、哲学的なあらゆる領域を網羅して、人の立場から「神」を考えて1つの答えを出したものがサイボーグ009という作品です。もっとも、この完結編を書き上げる前に石ノ森章太郎は他界してしまい、この構想を綴ったノートから原作者の息子がまず小説化、そしてマンガとしてビジュアル化したわけではありますけれど、これが原作者・石ノ森章太郎の表現(解釈と答え)なのでしょう。

善と悪、光と闇。人は普通、これらの両極の概念の狭間にあるもので、その中間のどこかで自分の立ち位置を探して定めようとします。主人公・島村ジョーのラストの叫びは、まさに「中庸」の結論です。石ノ森章太郎は、決して「天才向け」の結論を出さなかったところが素晴らしい。このように私が思うわけは、天才というのは神に等しく、両極端に(同時に)存在できる人だと思うからなのだけど。

石ノ森萬画館の入場券と50周年記念缶バッジ

さて、最初にお話した、この本を読むキッカケになった石ノ森萬画館の特別企画展「サイボーグ009ワールド展―50年の軌跡―」ですが、開催期間は2014年7月17日~9月28日までと、もう既に終わっております。各サイボーグ戦士たちを名セリフで紹介する最初の展示コーナーを見ただけで、今までの名場面がよみがえり、涙が出てきそうになるくらい、オレはサイボーグ009のファンだったのかwwwなどと、ちょっと自分自身に驚きました。また節目に、この企画展示をやってくれないかなー。

中年のオッサンが、子どもたちに混ざってクイズに答え、ちゃっかりと写真の50周年記念缶バッジ(非売品)もいただきました。これも含めてサイボーグ009は、よい思い出です(笑)。


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