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2021年12月に作成された記事

等一個人咖啡 Café. Waiting. Love

こちらの映画Blu-rayも2021年12月に保存用として購入した作品です。日本未公開の映画なので、海外輸入のお取り寄せ品&当然ながら邦題なし、日本語の吹き替えも字幕なし(中文の字幕のみ)ではありますけれど、台湾を知る人なら誰でも楽しめるファンタジー&ノスタルジック青春ラブコメディー(?)な映画じゃないですかねー。

「等一個人咖啡」Blu-ray版

 

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大学生になったばかりの主人公の女子大生・李思螢(リー・スーイン)は、不思議なきっかけで「等一個人咖啡」というカフェでアルバイトをすることに。そこには無口だけど腕の立つ女性バリスタ・阿不思(アー・プゥスー)、いつも窓際でぼんやりと物思いに浸っている美人の女店主、そして、思螢の胸のときめきの相手、いつも同じ窓際の席に座り、毎回違う連れの女性の話を聞く常連客の青年・澤于(ゾユィ)がいた。
ある日、数々の奇妙な伝説を持つ大学の先輩・阿拓(アー・トゥ)が友人たちと「等一個人咖啡」を訪れる。実は店のバリスタ阿不思は、かつて阿拓のガールフレンドを奪った人でした。友人たちに嘲笑される阿拓の姿に、正義感の強い思螢は我慢できず、他人ながら阿拓の友人たちへ言い返すことに。
最初はどうにも阿拓を受け入れ難い思螢。でも阿拓は、思螢の正義感に深く感銘し、何かと思螢に関わり続ける。やがて思螢の日常は阿拓によってカラフルに色づき変わっていく…。

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等一個人咖啡


上記あらすじはBlu-rayパッケージから、私が辞書を引きつつ意訳して付け加えているところも多いので、下記にパッケージのオリジナル文を載せておきます。

大學新鮮人思螢(宋芸樺 飾),來到「等一個人」咖啡店打工,結識了咖啡沖調技術高超,任何客人點的特調咖啡都能做得到的超酷拉子阿不思(賴雅妍 飾)、每天都看似無所事事的神祕美麗老闆娘(周慧敏 飾),和她的暗戀對象:喜歡坐在固定座位,看似身邊女友不斷的澤于(張立昂 飾)。在大學裡擁有許多離奇傳說的學長阿拓(布魯斯 飾)和一群好友到「等一個人」喝咖啡,卻碰上搶走他前女友的阿不思,很有正義感的思螢看不慣阿拓被好友們嘲笑而大罵對方,而和阿拓結為好友。深深被思螢的正義感電到的阿拓,常常介紹他那些有趣的好朋友給思螢認識,思螢的生活也因為有阿拓而變得多彩多姿…。
等一個人咖啡


総じて「等一個人咖啡」に登場する人物は、個性が強いキャラクターばかりではありますが、その中でも「阿拓」というキャラクターに特別なものを感じます。なんつーか、主人公の思螢と同じく、感覚として存在が普通の人、「現在の人」みたいで。阿拓の(最初の)格好は奇抜だけど、ほかの登場人物は、それよりも伝説とかファンタジーに感じます。

この作品、ストーリーを構成する小故事(エピソード)の1つ1つが面白い上に、仕立て方が非常に上手で、冒頭から「ウン●」ネタという下品だけど(子どもの頃の)あるある話で大笑いしたり、あまりに切なくて涙も出たり。映画原作は人気作家の九把刀(ギデンズ・コー/ジョウバーダオ)。台湾の大ヒット映画「那些年,我們一起追的女孩(邦題:あの頃、君を追いかけた)」ほどの「切なさ」はないんだけれど、台湾の悪ノリ的ナンセンスな笑いは多かったかな。(切なさを笑いで和らげる的な?)

等一個人咖啡
每一個人,都在等一個人。等待一個,能看見妳與眾不同的,那一個人。

映画のキャッチコピーとして、「誰もがみんな、誰かを待っている。他の人とは違う自分を見てくれる人を待っている。」という言葉があります。映画タイトルと店名の「等一個人咖啡」とは、「一個人(ひとりの相手/誰かを)」を「等(待つ)」なんですね。主人公の思螢に向けて、この言葉はその青年・澤于のセリフでもあるわけで。

あらすじにある「いつも同じ窓際の席に座り、毎回違う連れの女性の話を聞く常連客の青年」である澤于というキャラクター、いつも同じ窓際の席(で同じ向き)に座り、常に相席の「聞き役」なのはそういうことだったのですねぇ…とか。

等一個人咖啡


ところでこの映画、いつも窓際でぼんやりと物思いに浸っている美人の女店主を演じたのは香港のビビアン・チョウだったことに驚きました。香港の中国返還年あたり、1990年代後半ですかね、私が最後に姿をお見かけしたのは。

以前このブログで紹介した台湾映画「我的少女時代」に登場した「アンディ・ラウ」と同じくらいの衝撃で胸がドキドキしましたよー。なんせ、私の20代の青春時代の海外スターですから。このあたりのキャスト起用、非常にツボでありました。(笑)

主人公の頭から湯気と共に実体化する「香腸」や「豆花」が出てくるあたりは、「リアル」とか「整合性」を重視しがちの日本人からすると「?」な表現でナンセンスに映るかもしれません。もっとも、この映画は現実と空想(というか非現実)が入り組む不思議な物語。私にはこれが、人が見つけるべき1つの小さな「幸せ」に見えましたね。

無口だけど腕の立つ女性バリスタ・阿不思のエンドロールにも、最後まで大笑いさせていただきましたー。(本当に悪ノリが過ぎるというw)

 

■等一個人咖啡
公開: 2014年8月15日(台湾)
※日本未公開
© 2014 AmazingFilmStudio 、Star Ritz International  Entertainment Co., Ltd. 、Fist of Fear Ltd 、Edko Films Ltd.

※なんと、映画でカフェとして使われたロケ地が、そのままコンセプトカフェとして営業しているらしいです。新店から近いので、そのうち足を運んでみようかなー。
■等一個人咖啡(景美本店) | 台湾グルメ・レストラン-台北ナビ
(台北MRT松山新店線「七張」からバスに乗って東へ10分。景美女中、景美渓の歩道そば)

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陽だまりの彼女

2021年12月、自分の数少ない映画作品の保存用として、この映画のBlu-ray版を購入しました。物語にかかわるザ・ビーチ・ボーイズの名曲「素敵じゃないか」がテーマソングとして本編を彩り、タイトルにある「陽だまり」という、あたたかい光りに溢れるイメージと映像が強く印象に残る作品です。

陽だまりの彼女Blu-ray版

さて、私がこの映画を最初に鑑賞したのは2014年2月の香港から帰国する飛行機の中でした。以下に、機内誌に書かれていたストーリーをそのまま紹介します。

陽だまりの彼女(機内誌)
新人営業マンの浩介は、取引先で幼なじみの真緒と10年ぶりに再会。中学時代はいじめられっ子だった真緒は魅力的な女性になっていた。やがてふたりは恋に落ち、浩介は結婚を意識するが、彼女は大きな秘密を抱えていた。

“女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1”の実写化というキャッチコピーではありますが、この作品はどちらかというと男性目線の作品かなと思います。あとから原作の小説も買って読みましたけど、やはり男性視線(浩介の視点)の作品ですね。
ただ、原作の小説と比べ、実写化された映画作品のほうは、女性側(真緒)の視点と想いが追加されています。

陽だまりの彼女

映画の中では、秘密を抱えた真緒(上野樹里)が時折に見せる表情や仕草が、男性が気づかない・なかなか気づいてくれない女心を表現しているように見えます。でも、真緒は大きな秘密を抱えてはいますけど、これを浩介にも知って欲しいとか、これを浩介に伝えたいわけではなく、真緒としては最後まで「陽だまり」のような2人の居心地のいい関係と空間を大切にしたかったのだと思うんですよね。

陽だまりの彼女

真緒(上野樹里/葵わかな)の役柄がやたらと男目線としてカワイイのはもちろんのこと、それよか、私としては主人公の浩介(松本潤/北村匠海)の役柄に対して、「あ~、そういの、わかるわ~、それ」的な、心理描写や演技・演出に、かつての男子としては非常に共感できるものがありました。

たぶん、こういう感覚とか想いって、男子独特なものじゃないですかね。思春期の心のささくれ具合といい、その想いを引っ張り続けているところとか。 むしろ私としては、真緒(上野樹里)よりも、浩介(松本潤)のほうが、よりカワイイと感じて映画を観てましたー。物語のヒロイン、実は松本潤のほうなんじゃないかと(笑)。

この映画作品における最大のファンタジーは、今どきこんなにもシンプルに、互いを愛しむカップルっていないよね、という部分なのではないでしょうか。ザ・ビーチ・ボーイズの名曲「素敵じゃないか」がかかる2人のデートシーンは映像が美しく、観ていて心があたたかくなります。もうここだけをずっとリピートで映像を流したいくらい、お気に入りですかねー。(とにかく2人が、特に松本潤がカワイイw)

 

■陽だまりの彼女
公開:2013年10月12日
2013年製作/129分/G/日本
配給:アスミック・エース、東宝
陽だまりの彼女 - 映画・映像|東宝WEB SITE
©2013「陽だまりの彼女」製作委員会

 

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